2011年6月28日火曜日

激論;アミリ・バラカ マイケル・エリック・ダイソン ハーブ・ボイド:マニング・マラブルによるマルコムxの新しい伝記が大きな波紋  

2011年5月19日、マルコムXの生誕86年を記念する日に、デモクラシー・ナウ!で繰り広げられた、マニング・マラブルの新著『マルコムX:作り直された人生』をめぐるアミリ・バラカ マイケル・エリック・ダイソン ハーブ・ボイドの大激論を日本語訳でお送りします。マルコムXの実像と虚像、その生涯の今日的意味を問い直す多くのヒントをはらむ興味深い討論です。(訳:大竹秀子)©Hideko Otake

英語原文は:Manning Marable’s Controversial New Biography Refuels Debate on Life and Legacy of Malcolm X
日本語参照リンク:デモクラシー・ナウ!ジャパンの日本語動画も、どうぞ: 
『マルコムXの自伝』を問い直す マニング・マラブルの新たなマルコム像

マニング・マラブルによる新しい伝記の波紋 マルコムXの生涯と業績に関する議論が再燃
マニング・マラブルが遺した マルコムXの実像・虚像
追悼:マニング・マラブル、その生涯と遺作『マルコムX:創られた人生』
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エイミー・グッドマン:  マルコムXについて、そしてマニング・マラブル氏の新著Malcolm X:A Life of Reinvention, (『マルコムX:作り直された人生』)をめぐる論争について、3人のゲストをお迎えしています。
アミリ・バラカさんは、高い評価を得ている詩人、戯曲家、音楽史家、ニュージャージー州ニューアーク在の活動家です。主要作品には、1969年の戯曲The Death of Malcolm X. (『マルコムXの死』)もあります。Black Fire:An Anthology of Afro-American Writing (『黒い火:アフロアメリカン著作アンソロジー』はじめ、多数の本の著者・編者です。ハーブ・ボイドさんは、ハーレム在の活動家、教師、著述家です。オンラインの紙 The Black World Today のエディターで、アムステルダムニュース紙はじめ多数の出版物に寄稿しています。ワシントンD.C.からはマイケル・エリック・ダイソンさんが参加です。ジョージタウン大学の社会学教授で、Making Malcolm:The Myth and Meaning of Malcolm X (『マルコムを作る: マルコムXの神話と意味』など、多数の著作があります。みなさん、デモクラシー・ナウ!に、ようこそ。アミリ・バラカさん―
アミリ・バラカ:  はい。

2011年6月22日水曜日

アミリ・バラカ:マラブル著『マルコムX:作り直された人生』に怒りの書評

マニング・マラブル著『マルコムX:作り直された人生』に、アミリ・バラカが怒った!Black Bird Press & Reviewに2011年5月10日付けで載った書評をご紹介。(訳:大竹秀子)原文はこちら:http://blackbirdpressnews.blogspot.com/2011/05/amiri-baraka-on-marables-malcolm-x.html

3月30日、私は車を待っていた。その日マニング・マラブルが私の家まで迎えの車をよこし、私たちはコロンビア大学の彼のオフィスで会うことになっていた。マニングは、口述歴史プロジェクトのために、私をインタビューしたがっていた。

彼とは、コロンビアが私の文書をどう扱うかについて話し合うため、2週間前にも会っていた。その席で、この最後のプロジェクトのスケジュールを決めていたのだ。だが、車はこなかった。私は知り合いで友人でもある運転手に電話し、コロンビアまで出向いたが、マラブルの姿はなかった。アフリカン研究学部では、彼の居場所を誰ひとり知らないようだった。そのうちやっと誰かから、マニングが再び入院したと知らされた。

2011年6月7日火曜日

故マニング・マラブル教授の主要リサーチャーが語る、『マルコムX:作り直された人生』

マニング・マラブル著のマルコムXの新しい伝記Malcolm X: A Life of Reinvention.(『マルコムX:作り直された人生』)は、5月19日のマルコムXの生誕86周年を前に「マルコムの顔に泥を塗った」と憤慨する人たちも出てきてブラックコミュニティの中で熱い議論をもりあげました。生前からマニング教授の仕事に注目してきた米国の独立系メディアデモクラシー・ナウ!では、5月19日にこの伝記があらためて火をつけたマルコムX論争に取り組みました。その中から、まずはマラブル教授と共に仕事したリサーチャーの一人、ザヒール・アリ氏のインタビュー(『マルコムX:作り直された人生』:マニング・マラブルが手がけた公民権指導者の徹底的伝記、http://democracynow.jp/dailynews/11/05/19/1)をお届けします。(訳:大竹秀子)
インタビューの英文動画は:http://www.democracynow.org/2011/5/19/malcolm_x_a_life_of_reinvention

フアン・ゴンザレス: マルコムXの生誕86周年を記念するイベントが全米各地で開催されています。マルコム・リトルは、1925年5月19日にネブラスカ州オマハで生まれました。母親のルイーズ・ノートン・リトルにとっては、8番目の子供でした。父親のアール・リトルは、言いたいことを臆せず口にするバプティスト派の牧師で、黒人民族主義者の指導者、マーカス・ガーベイの熱心な支持者でした。1960年代のあるインタビューの中で、マルコムは子供時代について触れています。

2011年6月3日金曜日

マニング・マラブルの遺作『マルコムX:作り直された人生』:序文抜粋

マルコムX研究の第一人者、マニング・マラブル コロンビア大学教授の遺作となった話題の(物議をまき散らしている!)新刊書”Malcolm X: A Life of Reinvention” (『マルコムX:作り直された人生』)の序文から(訳:大竹秀子)



1965年2月21日は、多くのアフリカ系アメリカ人の記憶に深く刻まれている。ジョン・F・ケネディとマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの暗殺がほかのアメリカ人の記憶に刻まれているように。マルコムXの信徒たちは、死後の騒然とした余韻がさめやらぬうちに、「ブラックパワー」というスローガンを受け入れ、彼を宗教色を離れた聖人に祭り上げた。1960年代後半までには、マルコムは一世代すべてにとって、黒人であることの理想の体現者になっていた。W・E・B・デュボイスと、リチャード・ライト、ジャイムズ・ボールドウィンと同じく、彼はレイシズムが黒人たちに課した心理的・社会的な犠牲を弾劾し、妥協のない行動を取った人物として広く敬われるようになった。彼に先立って公民権運動の中心となった、非暴力でミドルクラス指向のニグロ指導層とは正反対の場所にマルコムは位置づけられた。