2010年8月21日土曜日

コーネル・ウェストとの対話:1年目のオバマ、隅に追いやられた黒人の政治的課題

人種、ジェンダー、平等に関する問題を論じるブログオンラインマガジン「Race Talk」に20102月に掲載されたインタビュー「A Conversation with Cornal West: Obama's First Year and the Marginalization of the Black Political Agenda 」を翻訳しました。インタビューはハフィントンポストに転載され、http://www.huffingtonpost.com/kathleen-wells/a-conversation-with-corne_b_472853.html で原文の英文を読め、独特の「コーネル・ウェスト節」のインタビューを聴くこともできます。オバマへのウェスト教授の愛のムチが炸裂!(大竹秀子)

                                          Photo: Tony Grier



こんにちは。 キャスリーン・ウェルズです。 Race-Talkの政治記者です。 先週、Dr. コーネル・ウェストとお話する機会がありました。 プリンストン大学の宗教学、そしてアフリカンアメリカン研究の教授です。

私たちの対話のテキストを載せますので読んでください。 Race Talk のサイトで録音を聴くこともできます。お楽しみください。


企業優先 隅に押しやられた黒人のアジェンダ

キャスリーン・ウェルズ:  Dr. ウェスト、お話する時間をとってくださってありがとうございます。 Dr. コーネル・ウェストとお話ししています。プリンストン大学のアフリカンアメリカン研究そして宗教学の教授です。 今月2月は黒人歴史月間ということでもあり、お話しする機会をもてたことを喜んでいます。 本当にありがとうございます。

Dr. コーネル・ウェスト: こちらこそ、ありがとうございます。

ウェルズ: ではまず、オバマ大統領の最初の年についてうかがいます。 オバマ大統領は1年目の任期を終えたところですが[1]、あなたは彼の選挙戦と大統領としての仕事を批判してきた -- というよりも、批判的に分析してきましたね。 彼の1年目は、特に黒人コミュニティにとって、そして米国全般にとってどのような影響を与えたと思いますか?

ウェスト: シンボルという点では、最高点のAを与えますね。大統領に就任することにより、志気を高め、希望と可能性を与え、その高揚をある時点まで持続しましたから。 でも実質的なレベル、つまり、政策や何を優先するか、貧困層と労働者大衆黒人の大半がこれにあたりますが について言うなら、 Cマイナス ですね。実質的に意味のあることは何もやっていません。

象徴的なレベルでは興味深いダイナミズムを生みましたが、この途方もなく大きなイ ンパクトにもガス欠が始まり、実質的なレベル雇用、住宅、教育、医療 ではCで、まだ何の期待にも応えていません。黒人に関していうなら、オバマはもう黒人の支持を無条件で当てにはできません。

ウェルズ: オバマ大統領に対して点が辛すぎませんか? フランク・ルーズベルト大統領以外に労働者階級や貧困層を政治課題の中心にすえた大統領はいなかったのでは?




ウェスト: ジョンソン大統領はどうですか? 南部での米国版アパルトヘイトと北部でも黒人を差別するジム・クロウ法の小型版が横行する状況下で、ケネディ大統領の死後、ジョンソンは黒人民衆を政策の中心にすえました。 ジョンソンはおそらく、最高の例です。ルーズベルトより優れているとさえいえます。なぜなら、ルーズベルトのニューディール政策には、家庭内労働者と農業 労働者が含まれませんでしたが、その大半が黒人でした。 黒人を中心にすえた政治課題を実行した大統領に目を向けるなら、20世紀ならジョンソン、19世紀ならリンカーンでしょう。 オバマはリンカーンの名も、ジョンソンの名もルーズベルトの名も口にしました。 人々の希望に火をつけたのは、オバマ本人です。

ウェルズ: オバマは大統領ですが、一個人にすぎず

ウェスト: 一個人ではありませんよ。大統領です。大統領として、ウォール街と銀行をプロジェクトの中心に据え、雇用の創出や、ふつうの人たちの住宅を後回しにする 経済チームを選びました。 オバマは自らの手で外交政策チーム選び、戦争を展開する大統領、戦争を拡大する大統領になることを選びました。アフガニスタンにとどまらず、死をばらまく無人爆 撃機を使用して戦争をパキスタンに拡大しています。

何が問題だと思いますか、シスター・キャスリーン? オバマ・チームは黒人というアジェンダは、狭く、偏狭な米国の一部の人間にしか関係のないことだと思っています。そしてオバマは黒人の大統領なのだから、それだけでもう黒人のアジェンダは体現されていると思いこんでいます。 黒人の歴史とは何であるか、まったく理解していません。フレデリック・ダグラス[注2]からアイダ・B・ウェルズ[注3]、マーティン・ルーサー・キングにいたるまで、黒 人のアジェンダはつねに、この国のもっとも幅広く深遠で包括的ですべてを包み込むアジェンダでした。

フレデリック・ダグラスのアジェンダ は、奴隷の身から逃れようとする黒人のためのアジェンダではありませんでした。 それは、アメリカがより良い民主国家になるためのアジェンダでした。 そこから、女性の権利、労働者の権利などが、枝分かれしていったのです。 マーティン・ルーサー・キング・ジュニアのアジェンダは、「ニグロ」が南部で米国のアパルトヘイトに打ち勝つのを助けることではありませんでした。 それは、民主主義国米国をより良い場所にし、白人であれ、先住民であれ、アジア人、黒人、ラティノであれ、ふつうの人たちが品位と尊厳をもって暮らせる場所にすることでした。 この黒人のアジェンダには、米国の軍機によって爆撃され、共産主義の悪党に抑圧されていたヴェトナムの民衆への愛も含まれていました。

人のアジェンダは偏狭だとするもっともらしい考えがはびこっていますが、それはどう言えばいいかな オバマ政権の連中やメディアが、黒人の民衆に対して仕掛けている操作の一環です。

私たちのアジェンダは、企業のアジェンダを超え、カト リックのアジェンダやユダヤ人のアジェンダを超え、イタリア人のアジェンダイタリア人は大好きですがを超えています。特別な場を占めているのです。 黒人のアジェンダを隅に押しやり、次期選挙に向けて政治的な計算をするなんてとんでもないことです。 ナンセンスのきわみで、到底受け入れられません。我慢なりませんね。

ウェルズ: 米国の黒人の利益を排除するのがオバマ政権の一致団結した統一見解だというのですか?

ウェスト: いえ、排除ではありません。軽んじて、隅に押しやるのです。 排除ではありません。 オバマはレイシストではありませんから。 そうでしょう?  排除はしませんが、軽くみて隅に押しやっています。

ウェルズ: なぜ、そんなことを? 原因は?

ウェスト: 企業のアジェンダを重視するからです。 企業のアジェンダに引きずられ、黒人の苦しみや貧困層、労働者を脇に押しやっています。 なぜか? 企業国家米国は貧困層や労働者にまともに対処したためしがありません。 そうは言いたがりませんが、オバマが重きを置くアジェンダは企業のアジェンダです。彼は、それを米国のアジェンダと呼んでいますが、言い逃れにすぎません。なぜって米国のアジェンダとは、共に生き、民主主義の進展に力を貸すにはどうすればよいかを学ぼうと試みる民衆のさまざまなアジェンダの集大成であるはずだからです。

バラ ク・オバマ、つまりオバマ大統領が企業界に出向き、「私は米国すべての大統領であり、企業国米国の大統領ではありません」と言わないのは、このためです。カトリック界に出向いて 彼らにもアジェンダがありますからね 「私はカトリックの大統領ではありません。米国すべての大統領です」と言うのを聞いたこともない。 ユダヤ人のコミュニティやユダヤ人の集まりに出かけ、「私はユダヤ人の大統領ではありません。米国すべての大統領です」とも言いません。 でもこと黒人になると、そう口にしても良いと思うのです。 馬鹿げています。 我慢なりません。

ウェルズ: 米国は民主国家ですが、資本主義制度を採用しています。 自由主義的資本主義では、貧困あるいはワーキングプアは、制度に内在する特徴ではありませんか?

ウェスト: それは、その通りです。 でも、抽象的な話をしているわけではありません。スエーデンは資本主義社会ですが、貧困はありません。 日本は資本主義社会ですが、貧困率は4%です。 カナダは資本主義社会ですが、貧困率は7%です。 わかりますか?

資本主義にもさまざまな異なる形態があります。 資本主義社会の内部には優先順位が存在しており、対抗勢力が介入して、労働者や貧困層に力を与えることは可能です。 貧困の無い資本主義社会もあるのです。 米国はそのことを理解する必要があります。 ノルウェーやスエーデンをご覧なさい。 社会主義社会ではありませんよ。 資本主義経済を備えた社会民主主義社会です。

ウェルズ: あなたの使命はソクラテスのような役を任じること、教え、予言し、予報し、予告することだとよくおっしゃっていますね。

ウェスト: いえ、いえ。 予言者とは、苦しみを目撃するのをいとわない人々のことです。

ウェルズ: 苦しみを目撃する...

ウェスト: 予言者は、予告はしません。

ウェルズ: 予告しない?

ウェスト: いえ、いえ、予告とはまったく違います。 キング牧師は予言者だったと言う時、彼が何かを予告したという意味ではありません。彼は目撃者であることを引き受けたのです。 彼の献身的な生き方のおかげで、人々は、彼がかかわった人々の苦しみをけっして忘れないでしょう。 キング牧師は献身的な生き方をしたことにより、予言者になりました。 社会を批判し、貧しい人を正しく扱わない社会は破綻すると告げたのです。 これが予言者の使命です。何かを予告することではありません。 予告は、占い師の仕事です。

ウェルズ: 占い師ですか。 わかりました。私の思い違いでした。

ウェスト: はっきりさせておきたかっただけです。

ウェルズ: ええ、わかります。 あなたは、非武装の真実と無条件の愛に献身していますね。

ウェスト: はい、その通りです。


強欲を否定し公正を説いた候補者オバマ

ウェルズ: そしてオバマ大統領の使命は、進歩的なガバナンスと政策形成の努力です。 この二つの役割、この二つの献身は、どのように両立しますか? あなたと彼の共通の基盤はどこにありますか?

ウェスト: いや、いや接点はありますよ。 私は、ブラザー・オバマのために67件のイベントを仕掛けました。 アイオワからオハイオまで。 なぜだと思いますか? 機会があれば、もう一度同じことをするでしょう。なぜなら、レーガンの時代を超えて我々がどこに進むかを考え、共和党のマケインとペイリン候補という選択と比較した時、オバマが最高の政治家だったからです。 見境のない強欲の蔓延を乗り超える必要がありました。 貧しい人たちや労働者への無関心を乗り超える必要がありました。 二極分解した政治を超える必要がありました。

バラクは --強欲を否定し公正について語りました。無関心ではなく、思いやりについて、 怖れではなく希望について語りました。 私はその間、ずっと彼と行動を共にしました。 もちろん、政権をとれば、選挙中の民主的なレトリックが、党や彼が雇う専門家などの技術屋の政策から挑戦を受けることはわかっていました。 そこはわかるんです。

私たちには重要な共通点があります。 ひとつは、私は彼を右翼の悪どい襲撃から守りたい。攻撃の多くは嘘八百です。 彼には人間として、大統領として、素敵な黒人の家族と共にホワイトハウスで暮らす黒人の男性として人々から尊敬される存在であってほしい、私はそう願っ ています。 けれども、彼が強者に肩入れし、弱者を見捨てる時には、私は彼を正したい。 進歩的な政治家になってほしいというのが私の願いでした。 政治家として弱者の側に立った、ラッセル・ファインゴールド[注4]や、今は亡きポール・ウェルストーン[注5]、シカゴのハロルド・ワシントン[注6]のように。 オバマは弱者の側に立つ、進歩的な政治家でしょうか? 問うに足る質問です。

医療をみてみましょう。 公的保険オプション[注7]は交渉可能です。 医薬品会社と舞台裏で交渉できますからね。薬品会社が売る薬品を政府が売りまくってくれることを医薬品会社はよく知っています。 ちっとも進歩的には見えません。 典型的な中道派の権力操作です。圧力団体を操って、取引をしています。

ウェルズ: さっきちょっと触れたことにつながりますね。 米国は急進的な変化、さっきお話に出たような革命的な変化に取り組む準備ができていますか?

ウェスト: でも、ちっとも革命的ではありませんよ。 つぶすには巨大すぎる一握りの投資銀行に数十億ドルものお金を渡し、救うには小さすぎる残りの人たちを置き去りにすることをやめ、そのお金をコミュニティ銀行 と小規模な銀行に渡すのです。 全然、革命的なことではありません。

私がいま話しているようなことは、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムでポール・クルーグマンやボブ・ハーバートが書いていますし、ジョセフ・スティグリッツのすばらしい新著『フリーフォール グローバル経済はどこまで落ちるのか』にも書かれています。 スティグリッツの本は、一読はもちろん、何度も読む必要がありますね。 何も革命的なことをやれと呼びかけているつもりはありません。 実は、私は彼らよりほんの少しだけラディカルかもしれませんが、彼らも同じことを言っています。革命的ではありません。まったくそんな風には思いません。 常識的な考え方だと思いますよ。 オバマはその方向に進み始めないと、黒人の支持基盤を失うと思いますね。 白人の独立系の人々はすでに距離を置き始めており、右翼がすさまじい活力で出現しています。

ティーパーティのブラザーとシスターたちです。保守派なんて言っていますが、 彼らには隠れファシスト的要素がありますね。 バラクは、あの大衆のエネルギーに進歩的な方法で取ってかわろうとしなければ、弱者の側に立つことを拒む側近の専門家や頭でっかちの連中とつるんだまま、 宙ぶらりんな立場に取り残されてしまうでしょう。 そうなったら、大変です。

ウェルズ: 少し、具体的に説明してください。 彼はこの Cマイナス、あるいは Cプラスというひどい成績をどうやって Aに変えられますか?

ウェスト: 雇用に焦点を絞るべきです。 持てる力を使い、雇用、投資、インフラストラクチャー、職業訓練センターに向けた真剣な立法の推進をはかるべきです。 貸し出しを行う小銀行にお金を流し、何十億もぼろ儲けした大銀行に責任を負わせ、渡したお金を銀行がむざむざ重役連中のボーナスに使うことがないようしっ かり抑えをきかせねばなりません。なぜなら、お互いの間に信頼関係はなく、お金は、プロジェクトを立ち上げ起業するためにお金を必要としている普通の人 々の手に一銭も届いていませんから。

そのようなウォールストリートのコネクションにひとたびからめとられてしまうとあるいは、言い方を変えれば、ウォールストリートの投資銀行家とワシントンのエリートとの間の親密な関係にからめとられてしまうと雇用創出を語れなくなってしまいます。 雇用の創出は、大変ゆっくりと進む進化の過程ですが、連邦準備制度はそれに対して公的責任をまったく負おうとしていません。 連邦準備制度のトップに大統領は誰を選んだか? 最初に我々をこの混乱に投げ入れた当の本人です。 この人物を強力に弁護しましたよね? バン・ジョーンズ[注8]が苦境に陥った時、助け舟を出しましたか? ちっとも。 でもバーナンキのことは強力に弁護した。 ガイトナーのことも強力に弁護した。 進歩派のことは 裏切って見捨てるのに、エリートの中道派となると強力に弁護します。オバマの優先順位が何なのか、どこに傾っているか、はっきりわかります。私が腹を立て 気がかりなのはそこです。


失うか?黒人の支持基盤

ウェルズ:先ほど、大統領は基盤を失っていく、黒人の基盤を失っていくとおっしゃいましたね。

ウェスト:黒人は夢遊病者のようで、まだ目覚めていません。象徴的な勝利のおかげで、いままでのところは、まだ。でも、彼らがいったん目をさまし て、おやまあ、私の子供はアフガニスタンに送られたんだとわかったら!おやまあ、うちの娘はまだ失業中だ、この学校は荒廃したきりだし、住宅供給の仕組みときたら恥じさらしものだと気づいたとしたら。オバマ政権は銀行家、投資、民間保険会社にどんどん肩入れしていることがもっとはっきりわかったら、黒人たち は、「ちょっと待てよ。この象徴的な勝利は、くわせものだ。目をさまそう」と言うでしょう。そうなったら大統領は大変やっかいな羽目におちいりますよ。

うは思いませんか、シスター・キャスリーン?

ウェルズ:そうだとは思いますけれど、でも

ウェスト:不公平すぎると思いますか?不公平なことはしたくはありません。ブラザー・オバマが大好きですから。でも彼を愛する以上に民衆を愛しているだけなんです。

ウェルズ:それはわかります。私はただワシントンのメカニズム、競合して相反する利害がいろいろある と考えているだけです。

ウェスト:それはその通りです。それが現実です。

ウェルズ:それ が現実だから

ウェスト:それがまさに現実です。でもそれならば、民衆にそう言うべきなんです。私が言いた いのは、そこです。民衆に説明するんです。「何億ドルものお金をばらまくロビイスト連中がいて、私の喉元にくらいついている。銀行家たちは私の頭に銃をつ きつけている」と。ハロルド・ワシントンがやったように、民衆に説明するんです。そして、「だから、私にはたいしたことはできません」と言う。そうでしょ う?でもオバマはそうはしていません。先週起きたことを覚えているでしょう?シスター・キャスリーン。黒人のアジェンダなんてないと言った連 中がいるんですよ。アル・シャープトン[注9]やチャールズ・オグルトリー[注10]、マーク・モリアル[注11]、ヘンジャミン・ジェラス[注12]たちがそんなことを言い出した。私には滑稽 としか思えません。

企業のアジェンダ、カトリックのアジェンダ、労働組合のアジェンダ、ユダヤ人のアジェンダなどありとあらゆるアジェンダがあるのに、黒人のアジェンダということになると特に黒人の96%はオバマを支持したというのに、どうして黒人のアジェンダだけないんです?頭が どうかしてしまったに違いありません。特にキング牧師の遺産を我々黒人のアジェンダとするなら、我々はこの国の最高のアジェンダの持ち主なのに。我々のアジェンダは、最高です。企業の説明責任、雇用の創出、教育の優先、早期の児童教育開発などの子供たちの重視、グリーン政策、戦争には慎重であるべきであるすべてキング牧師の遺産です。キング牧師は黒人ではなかったというのですか?キング牧師は黒人のアジェンダの一部ではないのですか?キング牧師は黒人 の歴史の中心でしょう?

ウェルズ:でも、どう説明します?彼らの意図は?動機は?

ウェスト:オバマ政権の人々は、政権のプロジェクトをもっぱら白人の中道派と白人独立派を相手に語っており、彼らの恐怖と不安を緩和しようとしています。そして黒人には なにか象徴だけ与えておけば黒人との連帯が成り立つと思い込んでいます。実質的な何かで対応しようとは思っておらず、「ほかの皆と同じようにそのうちおこぼれが流れてくるのを待っていればいい」と思っているのです。そのあげく、どうなったと思います?白人の独立派は退却し、黒人の支持層は憤慨しています。 おかげで、政権は混乱のさなかにあります。私は彼らのために祈っています。私はキリスト教徒でもありますからね?

ウェルズ: いうことはこれは基本的に政治的な戦略であり、それが失敗したということですか?

ウェスト:その通りです。そしてまた、 私が言いたいことは、我々をいつまでもずるずると引き連れていくような戦略ばかりに手を染めているということです。立場を決めるべきです。それなのに彼は こと貧しい人たちや労働者、黒人に関することになると、立場を明らかにするのをしぶるのです。

ウェルズ:まだ任期1年目だという ことを考慮すべきでは?

ウェスト:それはその通りです。これから変わる可能性はありますからね。おっしゃるとおりです。でも12ヶ月間あればできることはいっぱいありますよ。

それに、すべての速度が速まり、1日24時間ニュースが流されて続ける現状において、人々がすでに2012年の次期選挙のことを口にしているのも問題です。選挙戦がたえまなく続くのです。果てることのない選挙戦ではオバマは選挙中にどうしたでしょう。黒人の民衆はどのみち自分に投票すると思っていましたから、黒人連中に近づきすぎるわけにはいきませんでした。選挙に勝つた めには、白人の中道派から「怒れる黒人」の1人に見られるわけにいかなかったのです。で、黒人連中はこう言いました。「OK、心のそこではあんたは我々の仲 間だ。でもあんまり我々に近づきすぎるわけにはいかない。選挙に勝てなくなるからね」。

これと同じことが8年間、くりかえされるというの ですか?黒人コミュニティだけではなく、貧者のコミュニティ、労働者のコミュニティの苦しみに対し、真剣に取り組もうという動きがみえません。経済チーム は大部分がウォールストリートの意のままです。いい加減にしてほしい。

ウェルズ:あなたの議論には本当に説得力がありますね!

ウェスト:潔く受け入れざるを得ない、疑いのない事実なんですよ。忘れないでほしいのは、私が正し いと主張するのがこの議論の目的ではありません。苦しんでいるひとたちに重点を置くことが目的で議論しているのです。私たちがこうして話しているのは、そのためです。

ウェルズ:それなら、期待について話しましょう。合理的に考えて、私たちは何を期待できますか?

ウェスト:最終的に必要なことは、私たちが社会的なムーブメントと社会運動を展開し(ハフィントンポスト[注13]はプロジェクトの大切な一部です。拍手を送りたいと思います。 タビス・スマイリー[注14]もその一翼を担い、エイミー・グッドマン[注15]も大きな力です)、貧困層と労働 者層の視点に立ってバラク・オバマに圧力をかけることです。(私たちは貧しい人々、労働者たちを愛しています。我々の社会の中であまりにも愛されず、社会の中で優先順位がもっとも低い人たちです)。私たちは自分たちの声を筋の通った強力なものにし、貧困者と労働者をアパシーの眠りから目覚めさせなければ。運動によりオバマに圧力をかけ続けなければだめなのです。

ワシントンの通りに貧困者と労働者が30万人集まれば、オバマはたとえ音楽を鑑賞するこじんまりとした素敵な集まりに出席していたとしても、我々に気づかないわけにはいかないでしょう。そして人々は、「あれまあ、あの人たちはど うしてオバマに反対してデモをしているんだろう?」と思うことでしょう。「彼の選挙民の基盤はこういう人たちだったんだ」と。オバマはそういった選挙民に向かって 象徴的に語りかけていますが、選挙民がおちいっている状況に対処する実質的な話は一切していません。ですから、ある意味で、私たちが仕掛ける番なので す。

ウェルズ:まったくその通りです。私たちが何かをする番だと思います。なぜならオバマは選挙戦中に、我々を必 要とするといいました。私たち民衆が私たち民衆こそが政府なのだと。だとしたら、答えは

ウェスト:忘れてはなら ないことは、その答えには別の側面があるということです。オバマはきちんと受け止めるべきです。受け止めなくてはいけません。私は「私たち民衆」という言葉が語られるのを耳 にしたいと思います。でも彼の周囲でそのような視点をもつ人は誰もいません。例外はエリック・ホルダー[注16]、そしておそらくクリスチーナ(・ローマー)[注17]と、セ シリア・ラウズ[注18]だけです。でも、彼の側近のほとんどラーム・エマニュエル[注19]やガイトナ-[注20]、サマーズ[注21]、ヴァレリー・ジャレッツ[注22]、などの連中は、そんな風にはまっ たく考えていません。ですから、言い方を変えれば、オバマが「私たち民衆」という言葉を口にするとしたら、それは彼がちゃんと耳を貸すように、我々が大声で一騒ぎしたからです。そうしないと彼は聞こうとしません。彼が耳を貸す連中は、我々のことを、ほら、ラーム・エマニュエルが言ったでしょ?あのろくで なしのアクティビストたちって、そんな風にみているんですよ。エマニュエルは我々のことをそう呼びましたよね?

ウェルズ: (笑)その記事、どこで読んだんですか?
ウェスト:ラームに神のご慈悲を。ラームのために祈りましょう。

ウェルズ:その記事、どこで読んだんですか?

ウェスト:ムの言葉です。ローリングストーン誌の最新号に出てますよ。 ラームが「オーガナイジグ・フォー・アメリカ」[注23]の運動に活を入れたいと望む人たちと会合した時に、[デビッド・]プラフ[注24]が「いやいや、彼らを民主党全国委員会に押し込んでしまおう」といいました。こうして彼らは党組織に組み込まれ、水をさされ、てなずけられてしまいました。ちょうどいま黒人指導者たちの多くが、オバマ政権に組み込まれ、水をさされ、取り込まれて、黒人や貧困層のニーズについて口を閉ざしてしまったのと同じです。


希望の虜 黒人はへこたれない

ウェルズ:正直言って、それを聞いてがっかりしました。シニカルだし、悲観的な感想かもしれませんが。でも

ウェスト:え、でも私は悲観的ではありませんよ。だって貧しい人たちはへこたれませんから。過去には、もっと悪い時期がありました。労働者はもっとひどい体 験をしてきましたから。黒人はかつては奴隷だったりとんでもない差別にさらされていました。1935年までは労働者には一切の権利がありませんでした。やられっ ぱなしではいません。私たちはすぐに立ち直り、粘り強く反撃する人間です。だから、悲観的ではありません。ブルースに似ていますね。けして楽観的ではありませんが。とどのつまり、我々は、希望の虜なのです。

ウェルズ:希望の虜。質問があります。グラスルーツの運動は存在 していません。ティーパーティー運動への答えもありません。少なくとも、何かを始めなければ

ウェスト:おっしゃる 通りです。実は何も存在していないわけではないのですが、組織化が進んでいません。ひとつになるに至っていないのです。貧困者のコミュニティや進歩的な労働組合のあちこちで表現はちがっても兆しはあります。オバマ政権の初めから辛口の批判をしてきた黒人活動家たちがいます。でも、まだひとつになっていないのです。

私たちはいまちょうど教会を基盤に動いています。ご存じのようにオバマは黒人教会と強いきずなをもっていませんから。彼は黒人トークラジオとは強い関係をもっています。スティーブ・ハーベイ[注25]にはすぐ電話できる仲です。トム・ジョイナー[注26]にも電話していつでも話ができます。でも黒 人教会の指導者たちは、不満をつのらせています。黒人教会が米国に向かって黒人のアジェンダは存在しないなんていえると思いますか?教会の指導者は人々の 苦しみを目にしているというのに。山のような葬儀に出かけ、病室を見舞うという現実の前で。

ラーム・エマニュエルのような連中がバラクに向 かって黒人のアジェンダはないと言い、バラクが彼らにそんなことを言わせておくなんて正気の沙汰とは思えませんね。おお、神様!(笑)人々の我慢にも限度があると思いますよ。

ウェルズ:黒人教会のことを取り上げてくださってうれしいです。宗教学の教授が、黒人コミュニティ の宗教の伝統について語ってくださるのですから。教会は害をもたらす存在ですか、それとも人々の役に立っていますか?こんな視点からアプローチしてかまいませんか?

ウェスト:いま何が起きているかというと、あまりにも多くの黒人教会がレーガン時代に眠りにつき、繁栄という 福音の中毒にかかってしまいました。市場を推進力とする宗教、商工会議所の宗教、マーケットの聖霊、商品中心の宗教になってしまったのです。レクサス、レクサス、レクサス、商品、商品、商品。そんな呪文を通して福音がばらまかれました。病んだ、なんとも貧相な信仰心ですが、でも実際、そうだったんです。 市場に取り憑かれた文化と手に手を取った、市場に取り憑かれた宗教です。メガ教会が支配的になりました。こんなメガ教会の多くでは、十字架を目にする前に ATMが目にはいります。

ウェルズ:いったいどう対処すればよいのでしょう?

ウェスト: 真実を語らなければなりません。人々を十分に愛するなら、十字架の血をクールエイドに変えることはできないと話さなければなりません。商品へのアクセスを得ることと愛と正義の人生を生きることを可能にする精神にアクセスすることとは違います。危機と破滅に直撃された時、世界一大きな屋敷をもっていても助けにはなりません。あなたを愛する人がだれもおらず、あなたのことを気遣ってくれる神がおらず、人生の次の段階へとあなたを導くものを何ももっていないのなら。そのうえ、レーガンの時代が終わりを告げたように、繁栄の福音は終わりを告げようとしています。教会も目を醒ましはじめています。

そしてもちろん、オバマは彼らを取り込めればと望んでいます。でも、確実にいえることは、ひとたび黒人の間に精霊をときはなしたら、どんな政治家にもそれを管理することはできません。教会はあまりにも長い間、眠りこけてきました。教会は死んだとさえいう人が大勢います。私は教会が死んだとは思いませんが、眠っていたと思います。目をさますことを希望していますし、私の生きているうちに目をさまさせるのが私の仕事のひとつです。

ウェルズ:目をさまさせるために、特にどんなことをするのですか?

ウェスト:今日のシカゴサンタイムズ紙を読んでいただ けばシカゴの黒人教会に行って、いまお話ししたのとまったく同じことを語った記事が載っています。テープもありますよ。1時間分の。人生は何もかもを一挙にやるには短すぎます。でもまさにこの問題についての説教でした。我々はどうやってオバマの目をさまさせ、守り、尊敬しながら、彼を正すのか?運動の可能 性をどうやって生み出すのか?貧しい人たちへの心からの深い愛、労働者たちへの心からの深い愛を証言するにはどうすればよいのか?金持ちを憎むことな く、80年代の貯蓄貸付組合の危機から昨年の前例のない救済措置にいたるまで金持ちは優先順位と特権を与えられたことを知るべきです。最高レベルの企業助成政策です。公共政策は現政権の優先課題ではないのです。教会での説教は毎週、行っています。

ウェルズ:説教を毎 週、行っている?。知りませんでした。それはおもしろそうですね。テープをぜひ聴きたいものです。

ウェスト:シカゴサン [タイムズ]紙です。ご存じの新聞でしょう?

ウェルズ:ええ。

ウェスト:私の説教につ いて今朝、記事を掲載しました。タイトルは、「ウェスト、オバマに苦言」、なんかそんなのでしたよ。

ウェルズ:わかりまし た。もうひとつうかがいたいのは

ウェスト:最後の質問にしましょう。その後、あなたを解放しましょう。お話できてとても嬉しいのですが、6時に用事があって、いまもう6時半ですので。

ウェルズ:わかりました。お時間をさいていただいて 本当にありがとうございました。


黒人のアジェンダが米国の最良の民主主義を推進した

ウェスト:でも、もうひとつ質問があったのでは?

ウェル ズ:ええ、もうひとつお聞きしたいことがあります。

ウェスト:はい、どうぞ。

ウェル ズ:Race-Talkでは、人種について語る方法に革命をもたらし、平等を促進しようと努めています。私たちは人種についてどのように語ってきたでしょう?その やり方をどうやって改善できるでしょう、そして平等とはどのようなものでしょう?

ウェスト:人種についてのすべての話は 真剣で実質的で、私たちが民主主義の実践の可能性をどのように広げられるかに関わっています。私が言いたいのは、白人至上主義について語ることはすべ て、貧困層と労働者全体の暮らしをエンパワメントすることにつながるべきだということです。黒人のアジェンダについて話した時、真っ先に言いたかったのはまさにこのことでした。フレデリック・ダグラスからA・フィリップ・ランドルフ[注27]、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、ファニー・ルー・ハーマー[注28]、エラ・ベイカー[注29]にいたるまで、黒人のアジェンダはいつでも人種を語ることに結びつき、民主主義の可能性の拡張、ふつうの人たちのエンパワメントと切り離せな いものでした。

その意味で、黒人のアジェンダは現在、米国で我々がもつアジェンダの中で最高のものになっています。けれども、40年間 にわたり、人種について語ること、黒人の利益に関して黒人のアジェンダについてのみ語ることに対して、ひどい悪意にみちた攻撃がなされてきました。黒人の アジェンダには道徳的な内容も倫理的な実質もなく、マキアベリ的な計算にすぎないというのです。黒人のアジェンダは、そうではありません。マーティン・ ルーサー・キングもフレデリック・ダグラスもそんなことは唱えませんでした。A・フィリップ・ランドルフが説いたことでもありません。

人の歴史をみると、どんな時であれ、私たちのアジェンダは私たち自身だけに関するものではありませんでした。そんな証拠は皆無です。でも、そうだとされています。それは間違いです。嘘八百です。再考の必要があります。そして事実、なんとも皮肉なことに、黒人大統領が生まれたというのに、彼を彼自身と 専門家、閣僚たちの大半から救出しなければなりません。なぜなら、彼を救えるのは黒人のアジェンダだけですから。米国が21世紀に自由になり民主的になる ためには、まさにキング牧師の遺産 が拡張されなければならないのです。ごくごく簡単なことです。こんな風に言った人がいます。「キング牧師ねえ?彼には黒人のアジェンダなんてなかった。 彼がどんなアジェンダの持ち主だったというんです?民主主義のアジェンダですよ」。そこなんです。ええ、彼が抱いていたのは民主主義のアジェンダでした。でもそれが黒 人のアジェンダでした。なぜなら、始まりは、黒人と労働者のニーズでしたから。キング牧師は、肌の色を超えて、貧しい人、労働者への愛にあふれていました。そして米国の帝国主義的な外交政策、当時のベトナムへの侵攻と占領を批判しました。いまなら、イラク、アフガニスタンへの侵攻と占領、そしてパキスタンでの無人機爆撃にあたるものです。黒人のアジェンダとはいつでもそのようなものだったのです。

これに何よりも似ているのは、もちろん、音楽です。ルイ・アームストロングが黒人音楽のことだけ考え、黒人にだけつながっていたと考える人はジャズが何であるか理解できないでしょう。ジャズは黒人音楽ですか?私はそうだと思います。ジャズは世界の音楽ですか?絶対にそうです。なぜってジャズはいつでもすべてを包み込むからで す。いつもコスモポリタンでした。でもそのルーツは特定の人々のクリエイティブなビジョンと実践に根ざしています。それは黒人の音楽です。スティービー・ ワンダーは黒人音楽ですか?絶対にそうです。でも、狭苦しく、偏狭で、他者をはじきだす音楽ですか?スティービー・ワンダーのレコードを最後に聴いた時の ことを思い出してください。限りなくコスモポリタンで世界共有の音楽です。
黒人の歴史を考えれば、黒人のアジェンダにも同じことがいえます。黒人の歴史については、違う見方をする人がいるかもしれません。でも私が理解する黒人の歴史ダグラス、A・フィリップ・ランドルフ、エラ・ベイカー、マー ティン・キングは黒人自由運動の中心です。米国の民主主義拡張の中心です。この運動以上に米国の民主主義に貢献した運動がほかにありますか?それなの に、バラクはその運動の流れから出てきたと語りながら、いまになって突然、黒人のアジェンダなどないと言いだす。とんでもないことです。一緒にコニャック でも飲みながら、少しは歴史を学んでほしいですね。

ウェルズ:お時間をとっていただいて、ありがとうございました。

ウェスト:こちらこそ、ありがとうございます。すみません、中座しないといけなくて。私の聖なる怒りと正義の義憤があなたや私の最愛のブラ ザー、バラク・オバマへの無礼とみられないよう願っています。私はただこの危機と世の中の苦しみを深く憂いているだけなんです。

ウェルズ:心から感謝しています。

ウェスト:どういたしまして。ごきげんよう。

ウェル ズ:ありがとうございました。


訳注
1. このインタビューは20102月におこなわれました。
2. フレデリック・ダグラス(18181895)は元奴隷。逃亡して奴隷制度廃止運動家に。編集・講演・執筆・新聞社主宰・政治家として活躍。
3. アイダ・B・ウェルズは(1862‐1931)は、アフリカ系アメリカ人ジャーナリスト、新聞編集者。夫と共にメンフィスの新聞「フリースピーチ・アンド・ヘッドライト7」の共同経営者。黒人に対する人種差別のリンチを記録・発表し、反リンチ活動を展開。また、婦人参政権運動にもかかわった。
4. ラッセル・ファインゴールドは、米国の政治家。ウィスコンシン州選出の民主党上院議員。超党派選挙改革法「マケイン・ファインゴールド法」案の提出者として、また2001年に米国愛国者法に唯一反対票を投じた上院議員としても知られる。
5. ポール・ウェルストーンはミネソタ州で民主党と農民・労働者党が合併してできた民主・農民・労働党選出の上院議員として2期を務めた。2002年にイラク侵略に反対票を投じた気骨のリベラル派。2002年飛行機事故で死亡。
6.ハロルド・ワシントン(1922 – 1987)は、弁護士で政治家。アフリカ系アメリカ人として初めてシカゴ市長を務めたワシントンの市政の特徴は白人リベラルと黒人の大連合が成立させたことだといわれる。
7.オバマ政権下でおこなわれた医療保険改革では、政府は当初連邦政府がスポンサーとなって運営する公的保険と民間保険を並存させ、国民がどちらかを選択する「公的オプション」を掲げていたが、最終的には見送られた。
8.ヴァン・ジョーンズはコミュニティ活動家。環境保護と経済を融合させた「グリーンカラー・エコノミー」を提唱。オバマ政権の環境顧問に任命されたが、「悪質な中傷キャンペーン」を受けて辞任。
9.アル・シャープトンは、バプティスト派司祭、公民権運動家、ラジオのトークショーホスト。虐げられた者の側に立ち権力構造に挑戦する熱血漢として評価する人がいる反面、人種分裂をあおるアジテイターとする批判も多い。
10.        チャールズ・オグルトリーは、ハーバード・ロースクール教授。同校のチャールズ・ハミルトン・ヒューストン人種と正義研究所の創設者。
11.        マーク・モリアルは元ニューオルリンズ市長。政治指導者で市民団体指導者。
12.        ヘンジャミン・ジェラスは全米黒人地位向上協会の現会長。
13.        ハフィントンポストは、リベラル・進歩派のニュースウェブサイト。
14.        タビス・スマイリーは、テレビ司会者、PBS(公共放送)「タビス・スマイリー・ショー(Tavis Smiley Show)」などで活躍
15.        エイミー・グッドマンは、米国を代表する独立系ジャーナリスト。1996年にラジオ番組「デモクラシー・ナウ!戦争と平和レポート」を共同創立者として立ち上げた。番組は現在は公共テレビでもオンエアされ、ウェブでもアクセスできる。また日本語公式サイトhttp://www.democracynow.jpもある。
16.        エリック・ホルダーは、オバマ政権で第82代合衆国司法長官に就任し、史上初の黒人司法長官が誕生した。
17.        クリスチーナ(・ローマー)は、元カリフォルニア大学バークレー校の経済学教授。オバマ政権の大統領経済諮問委員会(CEA)委員長。
18.        セ シリア・ラウズは、プリンストン大学経済学・公共問題教授職を休職して、現在、大統領経済諮問委員会(CEA). 委員。
19.        ラーム・エマニュエルは、オバマ政権の大統領首席補佐
20.        ティモシー・ガイトナ-は、オバマ政権の現国務長官。財務省で13年間勤務した経験を持ち、2003年から2009年までニューヨーク連邦準備銀行総裁を務めた。
21.        ローレンス・サマーズは、オバマ政権の国家経済会議(NEC)委員長。クリントン政権後半期に第71代アメリカ合衆国財務長官を務めた。
22. ヴァレリー・ジャレットは、オバマ政権の大統領上級顧問。以前は、シカゴ市長の次席補佐官などを経て、シカゴの不動産開発会社の最高経営責任者。次席補佐官時代に、当時オバマ氏と婚約していたミシェル夫人を市役所に雇ったことでも知られ、オバマの信任が厚い
23.        「オーガナイジグ・フォー・アメリカ」は、民主党全国委員会のコミュニティ組織化プロジェクト。オバマ政権発足時に、オバマの法案への支持者を動員することを目的に創設された。
24.        デビッド・プラフは、1990年代より、数々の大統領・州知事候補者の選挙運動を手がけてきたストラテジスト。選対責任者としてオバマ米大統領の選挙活動を統括し
25.        スティーブ・ハーベイは、コメディアン、エンターテイナー、ラジオ・パーソナリティ。
26.        トム・ジョイナーは、全国放送のラジオ番組「トム・ジョイナー・モーニングショー」のホスト。
27.        A・フィリップ・ランドルフ 18891979)は公民権運動の代表的指導者。寝台車ポーター労働組合(BSCP)の会長を務、黒人労働者の組織化に貢献したほか、公民権団体連合のひとつとして1963年のワシントン大行進を組織した。
28.        ファニー・ルー・ハーマーは、「公民権運動の魂」と呼ばれる1964年、公民権運動に反対する白人だけで構成されたミシシッピ州の民主党代表団に対抗してミシシッピ自由民主党を結成。民主党全国大会に乗り込み、ジョンソン大統領に公民権の重要性をつきつけた。
29.        エラ・ベイカーは、1930年代からの公民権運動家。WEB・デュボイス、サーグッド・マーシャル、A・フィリップ・ランドルフ、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアなどとともに公民権運動を指導し、また、ダイアン・ナッシュやストークリー・カーマイケルなど学生非暴力調整委員会(SNCC)の若手指導者のメンターになった。

©Hideko Otake 

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