2016年1月15日金曜日

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア:ノーベル賞受賞直前の演説:運動の力 死をも覚悟する非暴力 マンデラへの連帯を語る

115日はマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの誕生日。1964年、ノーベル平和賞受賞直前、ロンドンで行った講演(Democracy Now!2015119日の番組から)を訳してみました。(by 大竹秀子)


このとき、キングは35歳。1955年に26歳の若さでモンゴメリーのバスボイコット運動の中心的指導者となり全米に名を知られるようになってからづすでに10年近くがたっていました。演説でキングは、「運動は本当に成果があるのか」という人々の胸をよぎる痛切な問いに答えます。ヤワと思われがちの「非暴力」ですが、万一、命を落とすはめになっても命をかけるだけのものをもてたことをかみしめようと覚悟を語っています。また、イエスが「汝の敵を愛せ」とはいったけれど、「敵を好きになれ」とはいわなかったのは、ありがたい。どうしたって好きになるのが無理な相手はいる。でもここでいう「愛」はそんじょそこらの愛とは違うんだともいっています。

ロンドンでの講演で外国人が相手だったためもあり、アメリカの黒人の歴史をかいつまんで説明してくれているのはありがたいし、当時、投獄の身だったネルソン・マンデラなどを指導者とする南アフリカの反アパルトヘイト運動に敬意を表し、不買運動・投資撤退運動を通しての国際的連帯を強く呼びかけているのも特徴です。また、平和と民主主義を求めるならば、移民たちを温かく迎え、同じ人間としてわけへだてなく扱え、社会の中に経済的・心理的に疎外された層を生み出すことは社会の安全を大きな危険にさらすと説いていることもいまに通じる慧眼です。

公民権運動で世界的に有名なキングですが、反戦・反貧困の闘士でもありました。1967年には反戦演説「ベトナムを越えて・沈黙を守るとき」をおこなって、ついていけないそれまでの支持者から総すかんを食い、この演説から3年もたたぬ19684月に暗殺されました。

世紀の演説上手だったキング。Democracy Now!の番組を通して、その演説を声でも聴けますし、番組の休憩時間に、”King of Love Is Dead”を歌うニーナ・シモンのクリップも使われていますので、合わせてお楽しみください。(動画と英語スクリプトはここから

2016年1月9日土曜日

アミリ・バラカ (1934-2014): 革命的政治、ブラックカルチャーを形作った詩人-劇作家-活動家

ことばを銃弾にと説いた詩人アミリ・バラカの追悼番組(democracynow.org)の翻訳です。動画にはバラカのパワフルなパフォーマンスも登場します。(大竹秀子)
2014年1月10日にオンエアされたDemocracy! Nowの追悼番組


19日はアミリ・バラカの命日です。アミリ・バラカ(1934107日‐201419日)。ニューヨーク・タイムズ紙の死亡記事は、こんな風な文章で始まっています。「アミリ・バラカ。憤怒の詩人・劇作家。長年にわたり、アメリカでの黒人体験をまざまざと表現し、白熱の輝きを賞賛されるとともに、一部では扇動者とのそしりを得た」。1960年代と70年代には、バラカはブラックパワー運動を芸術の領域で体現した「ブラック・アーツ」運動の先鋒に立ちました。代表作といわれる『ブルースピープル』(1963)(リロイ・ジョーンズ名で執筆)はジャズの登場からビバップの誕生までの流れをアメリカの黒人史とのつむぎあいの視点でとらえた評論です。また戯曲『ダッチマン』(1964)は、レイシズムの恐怖を生々しく感じさせ、高い評価を得ました。

60年を超える政治的・社会的・芸術的な領域での活躍の中で、バラカの立ち居地は次々に変わります。「バラカ氏は初期のキャリアをビートニクとして、中期にはブラック・ナショナリストとして、晩年はマルキストとして過ごした。その立ち居地の転換は、時代の変化を映す鏡であるとも、本人の持ち前の移り気な気性を正確に表すバロメーターであるともみられた」と、ニューヨーク・タイムズ紙は、とげを感じさせる書き方をしています。「60年間にわたるバラカ氏の著作は、反ユダヤ、女嫌い、同性愛嫌悪、レイシスト、孤立主義、危険な過激派だとして、繰り返し糾弾された」のです。

「しかし」とタイムズ紙は追悼記事は続きます。「彼をチャンピオンと見る人も中傷する人も、彼がその最高の著作においてパワフルな発言者であり、魅惑的な演説者であり、国際的な文学シーンで、彼を愛そうが憎もうが、無視することはまず不可能な不朽の存在だと認めている」。


以下、「デモクラシー・ナウ!」が2014110日にオンエアした追悼番組(英語原文のトランスクリプトはここ)を日本語に訳してみました。バラカの詩は、英語のまま遺してあります(詩の訳は難しすぎる!)。ただ、弁解でなくいえることは、バラカの詩は、目で見て耳で聴いてこそ、真価が輝きます。番組に織り込まれた迫力満点の朗読パフォーマンスをリンクした映像で満喫してください。

2015年5月7日木曜日

『ボルティモア』:ニーナ・シモンのトリビュートアルバムから

アメリカのオンラインDVDレンタル及び映像ストリーミング配信サービス「ネットフリックス」では、2015年6月、オリジナル・ドキュメンタリー、ニーナ・シモンをテーマにした“What Happened, Miss Simone”を公開予定。関連してトリビュート・アルバムも発売されます。その1曲が『ボルティモア』。1978年のシモンのこの曲をジャズミン・サリヴァンが歌ったミュージックビデオがYOUTUBEで公開されています。(大竹秀子)



ミュージックビデオは、シモンのこんなことばから始まります。

「私は時代と自分のいる状況を映し出す道を選んだ。それが、私の義務。私たちの生命にとって本当に重要ないまこのときに、何もかもが絶望的で1日1日をなんとか生き延びているときに、何もせずにいることなど考えられません」



そして2015年4月、警察に拘束された後に命を落とした25歳の黒人青年フレディ・グレイの事件後の人々の抗議行動を含めたボルティモアの風景、黒人コミュニティの怒りの爆発に向けられた批判に答えるアンジェラ・デイビス(暴力をふるっているのは、誰なのか?)の歴史的クリップなどで構成され、公民権運動時代をいき、時代の息吹を敏感に、かつときを超えて映したシモンをしのびます。

トリビュートアルバムには、ほかにローレン・ヒル、メアリー・J・ブライジ、アッシャー、シモンの娘のリサ・シモン・ケリーも参加しています。
ドキュメンタリーのプレビューは、こちら。


2015年5月5日火曜日

レベル・ディアス:Which Side Are You On? REMIX



1931年に書かれ、炭鉱夫はじめ苦境にある労働者たちに連帯をよびかけ、後にアメリカの労働組合の集会で繰り返し演奏され人々を勇気づけた"Which Side Are You On?"。賛美歌のシンプルな曲に新しい歌詞をつけたこの曲は、ピート・シーガーのヒット曲にもなりました。長く親しまれてきたこの曲のレベル・ディアスによるREMIX版がYOUTUBEに登場しました。格差と貧困、構造的レイシズムなどがはびこる世界。抵抗の音楽で僕は政治・社会・環境の不正義と闘う側に立つと宣言し、連帯を呼びかけています。 英語の歌詞:http://genius.com/Rebel-diaz-which-side-are-you-on-lyricss

2015年5月1日金曜日

レベルディアス メイデーの集会で社会正義に向けた闘いと連帯を歌う

2015年のメイデー。ボルチモアで逮捕後死亡した黒人青年フレディ・グレイの死をめぐり、警官の起訴が決まった日でもありました。グローバル企業が生み出す世界的な格差、移民労働者の苦境、貧困層への治安当局の圧制、富をめぐる戦争に対し、ふつうの人たちのグローバルな連帯への呼びかけがきわだった今年でした。ニューヨークのユニオンスクエアから、レベル・ディアスの声を生ロクでお届けします。(大竹秀子)



2015年1月19日月曜日

マーティン・ルーサー・キング誕生日2015

ファーガソンでのマイケル・ブラウン射殺事件後、一挙にもりあがった反レイシズムの新たな取組、Black Lives Matter。警察機構に組み込まれた市民に対する暴力の停止を求めて、2015年のマーティン・ルーサー・キング誕生日のお祝いは、特別な熱気に包まれました。写真は、ハーレムでの#Dream4Justice(正義への夢)を合い言葉にした集会の写真です。(大竹秀子)




2015年1月14日水曜日

BLACK LIVES MATTER―ファーガソンで企業メディアが見逃した大切なこと

企業メディアは見落としたけれど、ファーガソンで起きたのは、ヒップホップで「抵抗」を学びネットというツールを手にした若い世代の運動でした。詳しくは、デモクラシー・ナウ!ジャパンのブログで。(大竹秀子)